作品詳細

充満

充満

本村俊弘

世界が充満していく

一冊を通した一篇の詩「充満」。この詩集は世界に言葉が充満していくようでもあり、世界中の全てがこの本の中に言葉として吸い込まれ、充満していくようでもある。そして読む者も世界の一部として、この本の中に充満していくだろう。

探検家ロバート・ピアリー乗り込むルーズベルト号は/北極点を目指して北上を続け/ロッキー山脈は日没を迎え/月面着陸したアポロ6号の船影は長く伸び/静かな海は瞑想状態にあり/地球は朝焼けの中に浸り/木曜島に卵を産み落とすタツノオトシゴは/満月の夜を待つ/宇宙ステーションから対馬海峡の漁火が見え/アインシュタインは微かな寝息をかきながら/灰となったヒロシマを夢見る/バビロンを北西からの砂嵐がひとのみにする/読み手がいない聖書は数世紀も閉じられたままだ

詩集
2014/07/25発行
A5変型 並製 小口折り

1,620円(税込)