作品詳細

行路

行路

上野芳久

風となって、行路ゆく

詩僧・上野芳久の旅は続く。その足取りはより力強く、その祈りはより深くなり、確かなものを見つけつつある。

祈りは深い鎮魂の歌である
そして在るかぎり鎮魂の旅は果たそう
それが行者歌人の宿運ならば
行路は歓びを生む時の宿望とともにあるだろう
行路は生まれるべくして生まれる
その旅が叶うなら宿業もまた許されよう
面影の沈黙を抱いて旅をする
合掌がその挨拶であるとするなら
行路は地蔵尊への石積みである
悠久の空の旅路は何処だろう
それは果てしなく祈願の里に生まれる
その旅路を行く。行路というものがある(「行路」より)

詩集
2017/07/01発行
A5判 並製 カバー付

2,750円(税込)