作品詳細

覚醒する風と火を求めて

覚醒する風と火を求めて

本村俊弘

随想2004,3~2005,1

『現象としての私』より続く日記集。克明に書き留める詩人の日々。

二〇〇四年(平成一六年)         一一月一日(月) 雨

 午前四時五〇分に目が覚め、寝室のカーテンを開け、小用をたすために起きる。外はまだ暗い。手を洗い、洗面をし、歯を磨く。室温二三度。体調は良好。部屋にピカッと光ったのでなんだろうと思ったら、雷鳴が聞こえてきた。フラッシュは稲妻だったのだ。午前五時半に玄関のポストに新聞が入る音がした。この時間帯でも仕事をしている人がいるのだ。雨音が聞こえる。強く降っているようだ。書斎としている部屋のカーテンを開ける。午前五時四五分、水しぶきをあげて通る車の音がし始める。
 午前七時五分頃に出勤する。午前七時一五分発の準急池袋行きに乗る。和光市駅で座席に座れた。隣の成増駅で各駅停車に乗り換える。ローソンでコシヒカリ使用のおにぎり二個を買う。おにぎりは日高昆布とシーチキンマヨネーズで(株)グルメデリカという会社の所沢工場で作られたものであった。午前七時五七分にタイムカードを押す。永谷園のインスタント味噌汁を作り一緒に食べる。午前八時四六分から業務を開始する。午後〇時一八分に昼食を摂る。今日のメニューはご飯に味噌汁、鶏肉の南蛮漬け焼きと白菜のお浸し。午後一二時四二分に食事を終える。午後五時四〇分頃に退社。駅の近くにある料金千円の床屋で散髪をする。髭剃りと洗髪はなしで、終わったら吸引機で切った髪を吸引するやり方で格安になっている。午後七時五分頃に帰宅する。一九八四年の一一月以来となる一万円札、五千円札(樋口一葉)、千円札(野口英世)がデザインを一新して日銀から発行された。

日記集
2017/10/20発行
A5変形 並製・小口折

2,200円(税込)