作品詳細

ズボンを穿いて消える

ズボンを穿いて消える

藤井晴美

最期は、内も外も何者でもなくなって死ぬのだ。すりつぶされて。

案山子の曲率


分析と称して破裂音。
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シラミの行列で夜な夜な街はまぶしい。

人はいなかったかもしれないし、ある時いなくなったのかもしれない。殺されたのか、病死なのか。事実性は時間とともにもの凄い破裂音で変身する。それが未来だ。しっかりしろ他者。

虫や鳥が裏返っている。不正でもしているように泳いでいる魚のようだ。
黒体の仏頂面禿げた宇宙の総天然色がべら棒。が並ぶおもちゃ屋の食卓。クラゲの作り笑い。

ぼくは歯も生えて、肉を齧れるようになりました。


詩集
2025/09/15発行
四六判 並製

1,650円(税込)