作品詳細
朱欒ともして
シュールな句群。和歌のような文との併記で表出する抒情
鳴門奈菜主宰『らん』の編集者の一人である。
『らん』は永田耕衣が没した翌年、耕衣の題字と絵を表紙に1998年に創刊された。
虫籠の闇はこぼさぬように運ぶ
夕暮れは鏡しずかに発熱す
はればれと凍蝶ふかれいる永遠
光ひとつぶここに埋めておいたから忘れたころにきっと咲くから
泪わく沼より春は来るものか
隠れ家と呼ぶには明るすぎるから窓は大きく開け放つべし
拾いたり雀がくれの蝶番
句集
2020/01/20発行
A5判変形
並製 カバー付
装画:司香奈/装丁:三宅政吉
1,980円(税込)