作品詳細
吉田健一とジョン・ダン
英文学試論集
英文学研究者である著者が綴る、自称《英米文学雑文集》
「そもそも《文学》というのは、すぐに役に立つ実学ではなく、何の役にも立たぬ虚学であるとしばしば言われたりすることがある。確かに、文学は、人間が生きていく上で直接腹の足しになるわけではないが、少なくとも人間の精神にとって何らかの点で役立ち続けてきたことを否定するものはいないだろう。」――後記に代えてより
古代ギリシャの悪妻と中世イングランドの悪女、著名な英文学者である恩師の思い出、英文学に大きな影響を与えた『ルバイヤート』の翻訳・・・「英文学をあまり肩肘張らずにもっと気儘に楽しむ《英文楽者》でありたい」と語る著者の文学への深い造詣と愛が溢れる、読み手を惹きつけてやまない《英米文楽論集》である。
目次
・クサンティッペーとバースの女房―悪妻と悪女をめぐる雑考
・吉田健一とジョン・ダン―ケンブリッジ大学キングズ・コレッジ入学の頃
・若き日のフォークナーと《サッポー詩体をめぐって》―サッポーとホラーティウスとA・C・スウィンバーンとの連関において
・藤井三兄弟を偲ぶ―《在りし日の我が英語英米文学者の肖像》
・エドワード・フィッツジェラルド英訳『オマル・ハイヤームのルバイヤート』の邦訳
外国文学・他
2017/11/15発行
A5判
上製 カバー付
3,300円(税込)