作品詳細
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やさしく象にふまれたい
第8回日本タイトルだけ大賞受賞
くすぐったい、第一詩集
若き詩人のもやもやとした思い。くすぐったく、じれったい。しかし不思議と爽やかさに満ちたそれは等身大で語られる言葉だ。“詩人男子の本音”も満載である。それに共感するもその生態を覗き見るも自由。
閉塞感や停滞感、時代感を超えていくことができるであろう新しい詩が始まる。
この詩集を読めばあなたも“オノツバサ”が気になってしょうがないはずだ。
ぬるい。
眠たい洗濯物のよう。
狭い部屋に住みたい。
上北沢の。
ベランダ。
夏に雪が降ったら、きれいなのかな。
象が空を飛んだら、ふわふわにおう。
目をつむっている間に知らない景色にいた。
そんな窓もいい。
風車が二つまわる。
ゆっくりと。
吸い込まれてスイーって。
雲?
小麦粉さ。
ミルクティは、午後の味。
山羊がいる。
ビスケットのよう。
フルートが聴こえた。
汽車を降りる。
駅にいた。
切符を置いてきた。
小さい星に。
(「やさしく象にふまれたい」)
詩集
2015/08/08発行
四六判
小口折・糸かがり