作品詳細
生の拾遺
遺されたものを拾い集めること
こぼれ落ちたものを拾う。誰かが、何ものかが、捨て去ってしまったことで結果的にそこに遺されてしまったもの。(中略)生きるとはすなわち、小さなものを拾い集めて、塵のように吹けば飛ぶような、他人から見れば価値の見出しにくいものたちを自らのうちに次々に抱えこんで、それらの集積で自らの確固たる物語を綴ってゆくということだ。(「拾遺という思想」より)
過去を振り返り、過去を想うだけでは生きてはいけない。拾遺、拾い集めてそこから新しい何かを創りだす。著者の体験を綴りながらも、時代への追悼歌のようでもある。小さな生を送る全ての人に。
詩集
2012/12/03発行
四六判
並製