作品詳細
おすすめ!
ピエール・ルヴェルディ詩集
イマージュの限りなく自由で伸びやかな飛翔感、白昼夢のような影の領域での迷宮眩暈。ルヴェルディ以外作りえなかった独自の世界。日本初個人訳詩集。
おすすめのワケ
シュルレアリスト達が最も偉大な詩人と褒め称えるルヴェルディ。ブルトン、ピカソ、シャネル、アポリネールらと親交のあったまさしくパリ黄金時代の詩人です。彼は「互いに隔たったもの同士を接近させること」で詩的なエネルギーを生み出す手法を提唱しました。以降のシュルレアリスト達は自動記述で詩的な創造を目指しましたが、ルヴェルディはあくまでも自身を制御し、意外性がありつつも本能的に関連を感じさせる言葉を創り出したのです(「舗道の上で鈴が夜を鳴らす」「空が額に皺を寄せる」etc)。本著は日本で数少ないルヴェルディ詩集です。ルヴェルディの詩の美しさと魅力を是非感じて下さい。
ピエール・ルヴェルディは、初期ランボーからルネ・シャールやイブ・ボヌフォワにいたるフランス詩の、静かな、しかしもっとも美しい稜線にいる。それは象徴派のように言葉に寄りかかることをせず、シュールレアリスムのようにイメージに寄りかかることをしない。言葉とイメージが形をとらない場所に、まっすぐ手を伸ばそうとする詩人たちだ。おそらく長い時間をルヴェルディとともに過ごした佐々木洋氏の訳業は、端正で美しく、ルヴェルディの呼吸を見事につたえている。 ―兼子正勝
訳詩集
2010/07/07発行
並製 カバー付