作品詳細
鵙と心音
異界の聖書
一頁で一編の短編にも、全体を通しての長い一編の詩のようにも読める。夢の中を彷徨うように、唐突に現れる言葉。混乱と快感が入り交じった脳内物質が分泌されるようだ。異界の聖書を読み解くような不可思議な魅力。
夜店で買った金魚を水槽に放したら、翌朝には完全に透きとおっていたからといって苦情を言うべきではない。夜店で手に入れたものは、たいてい翌朝になると透きとおってしまうのだから。
(「鵙と心音」より)
詩集
2013/09/05発行
四六判
並製 カバー付