作品詳細
もうひとつの陶淵明試論
陶淵明の使う詩語「慷慨」に着目し<脱田園詩人>として陶淵明を捉え直す試み。詩人の「生きるべくして生きる」その姿を浮き彫りにする。
学業を終え、人生の波をくぐりながら、古希を迎える頃から本格的に陶淵明に向かう。
恩師を訪ね、指導を仰ぎ、多くのつまずきに耐えながらこの『もうひとつの陶淵明試論』は仕上がった。
未来の命へ届けてほしい。
目次
まえがき
第一部 陶淵明《飲酒》其の二 考
はじめに
第一章 淵明《飲酒》其の二「百世當誰傳」訓読 再考
(一)仮説 訓読「百世 当に誰か伝へんや」に依り淵明を読む
(二)淵明《会ること有りて作る 幷びに序》が示唆する淵明の覚悟
(三)《会ること有りて作る 幷びに序》の詩作年代を探る
(四)淵明の詩語――「慷慨」と「慨然」――から読む詩作年代
(五)淵明《雑詩》其の十「慷慨して綢繆を憶う」を詠じた時期とその思い
第二章 《飲酒》其の二「百世 当に誰か伝へんや」の含意
(一)異文化を併せもつ隠者 淵明
(二)「百世 当に誰か伝へんや」立ち位置の社会性
(三)魯迅が触発する陶淵明《述酒》評
(四)淵明《述酒》に登場する「陶朱公」
おわりに
第二部 陶淵明詩 大澤静代 訳
はじめに
《歸去來兮辭》幷序
《飮酒》二十首 幷序
《有會而作》幷序
《雜詩》其十
おわりに
書誌
あとがき
文学論
2024/05/17発行
四六判
上製 カバー