作品詳細
からだの夕暮れ
埼玉文芸賞詩部門入選
死んでゆかない言葉の 辿り着く どこかへ
住み慣れた街の夕暮れに突如思い出が甦ることがある。幼少時代の出来事、家族との何気ない時間・・・そんなさりげなく、大事な著者の一瞬を切り取ったような詩篇。その優しい眼差しには少し人生の悲哀が滲むようにも感じられるが、これからの人生への期待と希望を確信しているようでもある。
死んでゆかない言葉の/辿り着く どこかへ/行こうとして/真っ白な紙を広げてみる/そんな時/うっすらと 鈴のような 耳鳴りがする
私 という物語を遡りながら/何羽もの小鳥が/詩という美しい広場へ舞いおりようとして
(「詩」より)
詩集
2013/11/15発行
四六版
並製