作品詳細
保育園ことはじめ
―人と時代と―
六十年代、保育園を作った女性のドキュメンタリー
本著は1960年代、埼玉で保育園を開園した著者が当時の日々を回想して記したエッセイであるが、その内容はただの回顧録にとどまらない。当時、専業主婦であった女性が働く、ということは現代では考えられない苦労が多々あったはずだ。大勢の子供たちを世話する保育所での苦労話も時代を超えて共感できる面白さがあるが、それ以上に「女性が解放されること」(保育園で働く著者、子供を預けて働くことができる母親たち)にポイントが置かれているのが本著の特徴だろう。純粋に読み物としても、女性から見た日本の近代史としても楽しめる。
著者:栗原澪子(くりはらみをこ) 詩人としても活躍。七月堂からは『黄金の砂の舞い』『日の底ノート』(ともに絶版)。
随筆
2013/03/15発行
四六判
並製 カバー付