作品詳細

ひかりさくかえりみち
都 圭晴第一詩集
確固とした抒情の世界をもつ作者の、
これは新たな道行きのための力強い第一歩だ。
――細見和之
でこぼこ道の帰りに
透明傘は雨に降られている
僕に似たでこぼことした道路には 水たまりがあり
届きそうで 手の届かない白い朝と
傘をもった僕が ふるえて ゆられている
意味なんて忘れて 雨音のなか
生まれては消える波紋の時をみつめている
白い光が包み込んでいる
どうしてだろう
僕や白い朝が そっと拾われていく
そして 沈むことなく 抱きとられている
この道は 子どもたちが登下校する
それが なんだかうれしく
抱かれることがわからなくても
白い空が広がっていればいいのだと思う
理由なんてない景色に
生きてていいよと言われているような
繰り返し続いていく時間
白い空の続くでこぼこ道を 靴を濡らして帰っている
詩集
2025/08/19発行
四六判
並製 小口折り 帯付
1,870円(税込)