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ハンカチの樹
近日発売

ハンカチの樹

関中子

関わる
わたしが望むとおりでなかったとしても
関わりは続く

水を持っておいで


そこもここも
そうしたっていいでしょう
通り沿いの気ままな庭に
咲く手
を置く 足を伸ばす
存分に 存分に

いのちの理屈を返そう あんた 迷惑だ
季節を贈りつづけるものは誰だ
通り過ぎるあんたじゃない
わたしだ
あんたの邪魔なんかなんにもしていない
あんたはなんでもこのわたしにできる
わたしの手について足に向かって
折るのもむしるのも刈るのも
あんたは好き放題
あんたの邪魔なんかなんにもしていない
庭の持ち主は一年の内
ほんの一時しかここに関心を示さない
それも世間体からだ
あんた方の無言の要望を汲む
わたしはまたいつもの災難に会う
早すぎるときは大きく笑い 持ち主をたしなめ
程よいときはやれやれとしおれる
もう長いつきあい
そこもここも
わたしが足を伸ばす
手を置く くつろぎの露台だ

あんたに贈ることばがあるよ
さあ 水を持っておいで 水だよ
今はそういう時間だ
好きにならないか
そういう時間を


詩集
2026/06/20発行
四六判 並製 小口折り