作品詳細
ガラスの犬
水没する水の無音
鏡の中の不眠の夜
非人称=犬の熟視が表象する都市の原初の視覚は、思いがけなく爽やかな空なる気に満ちている。そこから新生人間の言葉が呟きとなって聞こえてくるとき、無意味の意味を纏った言葉の中に無明の闇を開く目の光が点る。身体なき言語(犬語)が自らの目で世界を見、自らの声で語るとき、陰画の世界が固有の色に染まり、存在し始めるであろう。
(近藤耕人「透明人間の視る異界」より)
すべてを宙吊りにしてやる。それは詩の光栄ある使命だと思う。
(「著者あとがき」より)
堀田展造 プロフィール
詩集
2009/07発行