作品詳細
風弦歌
ひかりは どっちだ
西カラ 東カラ 上カラ 下カラ
それとも 奥カラ
精一杯に 差し伸べられた
両の翼で 鳥は浮上する
すべての生きもの の 連帯を求めて
著者
風の琴
忘却という名の死神にさえ
忘れ去られた おとこが
風の琴に合わせて
往にし方の かみ神を讃えた日に
オルフェのかみは 微笑んだ
いまはアキタニアの うち壊された城の
廃屋の塔の上で 嘆いているが
あの声には聴きおぼえがある
あれは イタリアの海の色に染まる
わたしの声だ
詩集
2019/11/10発行
A5判変形
並製
1,100円(税込)