作品詳細
インカレポエトリ叢書 3
普遍の一途
神様は僕にこの坂を与えました
アトランティスめがけて
追い越し車線
斜めに抜け駆け
くぐり抜けるジャングル
繰り返される既視感覚
眩しさの対価は睡眠不足に拍車をかける
泥で汚れたジーンズと黄ばんだ地図を
自慢するように
案内標識に異世界を確認して
皮肉のため息をついた
新聞のおくやみに私の名前はなくて
代わりに桜の満開の便りを受け取る
その足で渡った吊り橋
枝毛までも輝かせて
雨上がりの匂いを嗜む
群青の湖の底に私を確認して
浮き上がる泡に天命を待つ
詩集
2020/09/01発行
四六判
並製
990円(税込)