作品詳細
長老の愛した女たちの季節
本当は女も、青臭くなければ、愛されない
「少女」の心のまま年齢を重ね、生きていくことは、純粋さ故の苦悩を「大人」よりも多く背負うことになるだろう。そんな彼女の人生の悲しさも、おかしさも、憎しみも、喜びも、全てここに含まれている。
私の記憶には くもの巣がはっている
どうして 忘れてしまうのに 心は こんなにも 動くのだろう 逃がしてしまうのなら 何のために 一生懸命に なるのだろう
どうして 忘れてしまうのに 恋をするのだろう 胸に詰まる 熱い思い
空の彼方に行った 私の 膨大な記憶よ わたしは いつの日か 忘却の空に向かって 深々とおじぎをしよう
ありがとう と (「忘却の空」)
詩集
2013/10/25発行
A5変形
並製
挿画:本間ちひろ