作品詳細
あの鳥篭に餌をやるのを忘れてはいないか
詩人によって全ては物語に変わる
神話の世界から幻想的な異国の景色、日常的な出来事まで、詩人の直感と想像力が捉えた物語。異なる題材が乱舞する本著に一貫しているのは、博識な著者の知性と冷静な洞察力に裏打ちされた言葉。「あの鳥篭に餌をやるのを忘れてはいないか」と彼女はあなたを振り返るのだ。
裏道の日本語学校に通う/異国の少年、少女/携帯で怒鳴っているけど/意味はわからない そのうちの一人だけが/わたしに興味の目を向けた/似ている知り合いでも居るのか?/ビルの間を溝のように区切る/細い裏道/歩き煙草禁止の標識 喉の奥に白湯スープの味/そんなものを食べたのは/何か月前のことだったか/はれぼったい両の目を閉じると/そのまま歩きながら眠ってしまいそう 昨日は地震が、今朝も地震が、そして明日も暑いとか……
詩集
2013/12/01発行
四六判
並製 カバー付