作品詳細
小山俊一全通信
自らの存在を問い続けた「在野の哲学者」
七月堂50周年記念企画第三弾!
『小山俊一全通信』を読んで、改めて強い感銘を受けたのは、小山が哲学の知識や教養をふんだんに持ちながら、それの解釈学に陥らずに、自己の実存に潜む《生存感覚》のすべてを動員して、考えるということをしているからだ。(解説 北川透)
戦前・戦中は皇国思想にまみれ、戦後は共産党に入党、社会主義思想に翻弄されながら、ある時期、そこを離れ自らの研鑽を重ねていった「在野の哲学者」小山俊一。彼は「隠遁」し、他者を峻拒して、しかしなおコミュニケーションを求めて、少部数の通信を発行し続けた。吉本隆明をして「〈法語のような非法語〉を書く覚者のおもむき」、「「偉小な」純乎とした覚者と呼びたい」と言わしめた。
随筆
2024/01/31発行
A5判
上製本 カバー 帯付
解説:北川透
4,500円(税込)